王学仲書画作品所蔵

2019-05-14

 

 中国の山水画は境地が奥深くて、山や川などの自然風景を主な対象に描かれたものであり、常に特別な趣を抱いており、中国人の感情と思いを最も濃厚に表しているものです。人間は毎日、様々なことを感じ、思考し、悟り、そして持続的に、異なる方向から、深くその悟りを成果として転化させ、さらに芸術的な加工によって芸術作品に仕上げます。

 天津大学の王学仲芸術研究所には、詩人、画家、書道家である王学仲先生の作品を所蔵しています。先生が山水画で造物の美しさを詠み、花鳥画で協和と上品な趣を求め、人物画で世の中をからかい、人や己を戒め、漆で絵に新しい質感を与え、水彩で命の足どりを記録し、油絵で人生の無常を表し、はつ墨の手法で久々の痛快極まりの気分を表現し、積墨の手法で重々しい寂しさを語り、線描や直写の手法で芳しさや荘重雄大さを語るなど、素材と手法にとらわれることありません。

 近代以来、画壇の名家である徐悲鴻が馬、斎白石がエビ、黄冑がロバを描くことのように、画家はそれぞれ世に知られる特定のテーマを持っています。それとともに、その他の主題も描きます。例えば、徐悲鴻の和洋折衷の人物画、斎白石の草むれの中で安逸に生きているカエルと虫、黄冑の少数民族の風景などです。ところが、王学仲の画論からみれば、その奥まで染み込んでいる「他人と同じであることを恥とする」、ないしは「昔の自分と同じであることを恥とする」という思いが読み取れます。王学仲の山水芸術の気質は、漢文化を十分に理解した落ち着きや根性にあり、東西の技法の融合による均衡さにあります。彼の絵は数百年来の弱々しさや謙遜を破り、国を治める儒家精神という主流文化を絵画作品に現しており、漢民族精神への追想と発揚でもあり、文武両道の盛んな気概と、男らしく力強い風格にあふれています。


不朽の精神の北洋大学と天津大学は代々伝わるキャンパスである